管理組合のためのマンション管理コンサルタント

駐車場の問題

【依頼要旨】

東京都町田市の27戸の小規模マンション。機械式駐車場と平置きの駐車場が混在していて合計15台分あり、細則によると使用料は全て一律5000円(月額)とされている。また、細則では入れ替えについて「必要があれば2年に一度の場所入れ替えをすることができる」になっていて今回始めての入れ替え時期を迎えているが、入れ替えの手法については何も定めがない。駐車場使用契約書があり、その契約書は半永久的に使えるような内容のもの。

理事長は平置きの駐車場を利用しており、契約書に基づく半永久的権利と、「必要があるときにできる」という任意性を理由に入れ替えをする気は全くない。また、理事の中には機械式駐車場の不便なパレットに入れている人、敷地内におきたい人もいて理事会内で対立が生じている。アンケートの結果も2分して収拾がつかずどうすればよいかという案件。

居住者同士では話にならないので第三者の専門家を入れて解決したいという監事の提案を双方が呑んで私のところに依頼があった。

【解決に向けて】

まず、私は裁判官ではないのでジャッジを下すことはできないことを説明。第三者としての専門家の見地から管理組合のためにはどのような方向性が良いかお互いの意見の調整をすることとした。まず、入れ替え反対派、推進派双方から意見を個別に聴取し、現場駐車場、規約、細則、アンケート内容等を精査した。双方がだいぶ感情的になった後での依頼であったため、まずは双方の意見、不満を言い尽くすまで聞いてあげることにした。とにかく最後まで話し聞いてあげて、対立した当事者の冷静さを取り戻させたのが、解決のポイントであったと思う。

最終的には「2年に一度」と頻度がわざわざ明記されていることは入れ替えを想定してのものと推定されるし、多くの組合員から聴取したところ、不動産業者から2年に1度駐車場の場所の入れ替えするとの説明を受けていることがわかった。\r\nまた、このマンションの近隣には手ごろな貸駐車場がないこともあり、2年に一度の抽選で安定的に駐車場を利用したいとの声も多く、以後は規約、細則を変更して、空き待ちリスト方式を導入し、出しやすさによって専用使用料に格差を設けること、また、その価格帯に分けて希望者を募り、最後の抽選を行うものとした。

臨時総会で規約、細則を変更し、終了後に抽選会とはずれた人は空き待ちリストへの登録と順番の抽選会を同時に行いました(私の報酬も承認していただきました)。

小規模マンションで経常的に顧問料を支払うことは難しいため、このマンションはこの問題が解決してから約1年半が経過していますが、今でも管理組合は相談料名目の予算を少しですが計上するようにして、何か困りごとがあるとメールや電話で相談に来ます。

今のところ回答を書面にまとめて1枚5000円で、相談に乗っています。

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