総会の招集通知は2週間前に発送する
総会の時期が近づくと、総会の招集通知を管理者名(多くの場合は理事長)で区分所有者全員に出す必要があります。標準管理規約では、総会の期日の2週間前に発送しなければならないと定めています。ただし、個別の事情に合わせた期限を管理規約で定めることもできます。
ところで、区分所有者の中には、そのマンションに住んでいない人もいます。その場合はどこに発送すればいいのでしょうか。
区分所有法第33条によれば、マンション以外に住んでいる区分所有者が、理事長に対して住所(連絡先)を届け出ている場合には、その場所に送ればいいことになります。
また、連絡先の届け出がなく、所在地がわからない区分所有者が出てくるケースもあるでしょう。その場合は、総会の通知などは、所有している住所宛てに送るか、またはその住所の登記簿に記載された住所に通知することになります。
招集通知に記載する事項
各区分所有者への総会の招集通知を行なうには、電話や口頭でも可能ですが、後になって、「言った、言わない」の問題が起こらないためにも、書面で通知するのが普通です。その通知には、集会の日時・場所をはじめとして、「会議の目的たる事項」を明示しなければなりません(区分所有法第35条)。
ここでいう「会議の目的たる事項」とは、いわゆる議題です。すなわち総会において討議、決議する題目です。「役員の選任」「修繕積立金の値上げ」「給水管更生工事の実施」「規約の変更」などの、議決の目的となる事項です。
その議題が特別決議を要する場合には、その議案の要領も併せて通知する必要があります。この場合の重要事項とは、「共用部分の変更」「規約の設定・変更・廃止」「建物の一部が消滅した場合の復旧」「建替え」「規約の設定の特例」を指します(区分所有法第35条5項)。
総会の決議事項は、原則として招集通知に記載された議題に限られます。通知されなかった議題を決議することはできません(区分所有法第37条1項)。もし、議題や議案の要領の通知がないままに決議が行なわれたとしても、その決議は無効になります。
また、区分所有者の中で、議案を出したいと考えている人は、まず理事のなかに知り合いがいれば、「○○の件について、次の理事会で話し合ってください」と、その人に伝えればいいでしょう。誰も知らない場合は、理事長宛に書面で伝えることです。もちろん理事会に出席して、自分で発言することが最も効果的です。
総会の出席者を把握しておく
総会の成立要件については、区分所有法では特に定められていません。ただし、標準管理規約においては、議決権総数の半数を超える区分所有者の出席と定めています。この場合に、委任状や議決権行使書を提出することは出席とみなします。
理事会は総会に先立って組合員から出された出欠の通知を確認して、総会が成立するように努めます。出欠の意思が確認されない組合員が多いと、特別決議を要する重要な案件の決議ができないなどの不都合が生じます。
このようなことがないよう事前に、出席、代理出席および委任状の数を把握した上で、無回答の組合員に対しては、出席または代理出席を要請し、欠席のときは委任状あるいは議決権行使書の提出を働きかけます。