管理組合のためのマンション管理コンサルタント

どこまでが専有部分なのか

壁・床・天井の境界線を知っておく

分譲マンションは、自分の住戸の部屋などの区分所有者が自由に使っていい専有部分と、廊下やエレベーターなどの共同で使う共用部分に分かれていますが、専有部分と共用部分の境界を定めるのが難しいケースも少なくありません。特に壁、床、天井について、どこまでがどちらの専有部分なのか、どこが共用部分にあたるのかについては、専門家の間でも意見の分かれるところで、次の3つの考え方があります。

(1) 共用部分説・内壁説

壁、床、天井などの境界部分はすべて共用部分であり、その境界によって取り囲まれた空間部分のみを専有部分とする説です。ただし、この説をとると、専有部分は、壁、床、天井などに囲まれた空間だけになってしまい、区分所有者が自由に内装工事を行うことができなくなりますので、あまり実情に即しているとはいい難いでしょう。

(2) 専有部分説・壁心説

境界部分は共用部分でなく、その厚さの中央までを専有部分とする説です。ただし、説によると、壁の中心まで各区分所有者が自由に変更を加えることができることになってしまい、建物の維持管理の上で問題が生じてくるでしょう。

(3) 折衷説・上塗説

境界部分のうち、躯体部分は共用部分とし、上塗り部分など躯体部分以外の部分は専有部分の範囲に含まれるという説です。この説によると、上塗り部分は専有部分になるので、境界壁の壁紙の張り替えができることになります。区分所有者が相互間で、建物の維持・管理をするには適していると言えるため、標準管理規約では、この折衷説・上塗説を採用しています。

窓・玄関などは専有部分か

壁、床、天井以外の部分においても、管理規約で境界を詳細に規定しておく必要があるでしょう。標準管理規約では、次のような扱いになっています。

(1) 窓ガラス

住戸についている窓ガラスや玄関壁は専有部分と考えがちですが、窓や玄関の外側は建物全体の外観に大きな影響を与えるために、共用部分としています。

(2) 配管・配線

基本的に枝管・枝線は専有部分、本管・本線が共用部分と考えられます。もちろん、共用部分内にある枝管・枝線は共用部分となります。また、専有メーターがある場合には、メーターから専有部分内にある配管・配線は専有部分であると考えられます。

ただし、窓や玄関、配管・配線などの区分については、管理規約で別段の定めをすることも可能です。

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